◆このインタビューは2001年12月に行われました。
◆今回の取材は風間ルミさんのご好意でインタビューさせていただきました。
「リングに上がってクローズアップされる時間よりも、地道に人の見ていない場所でトレーニングしているところから、レスラーという職業は始まるのです。それに耐えられない人間はこの世界では生きていけませんよ。」と語る風間ルミさん。LLPW(Ladies’s Legend Pro-Wrestiling)の代表であり、看板レスラーでもある彼女に、お話をうかがいました。

編集長(以下編):今日はお忙しいところ、お時間を割いていただきまして、ありがとうございます。風間さんは元はアイドルでしたね?

風間ルミ(以下風間):いいえ、私はシュートボクシングをやっていて、ビューティーペアの佐藤さん(ジャッキー佐藤)に誘われて、プロレスに転向したんですよ。

編:そうなんですか、ビジュアル的にアイドル系かと思っていました。その前は何かスポーツはおやりになっていたのですか?

風間:とにかく、身体を動かす事がすきでしたから、バスケットボールなどスポーツは何でもやっていましたね。でも、プロレスは体力的に身体が小さいでしょ。無理だと思っていたので初めは佐藤さんにお断りをしていたんです。でも、佐藤さんが、『身体が小さいからこそ、その人間が大きな人を倒したり、勝ったりすることが、逆に見ている人に喜びや感動や夢を与えるのよ』と、言ってくださった事もあってプロレス入りの決意をしました。

編:そうですよね。風間さん一般の人と比べても決して大きくはないですよね。女子プロレスって技にしても、何にしても、最近の男子プロレスより過激だし、身体の大きい人も多いですよね。そうすると、怪我などもつきものではないですか?

風間:ほとんどが私より体格はいいですよ。そんな人間と互角か、いやそれ以上に戦うということは、口ではいえない努力や練習をしましたし、今もしています。それに、私だけではなくレスラー全員、多かれ少なかれケガをしていますよ。それを押してリングに上がるということは、、“ただの仕事”というだけでは無理ですね。

編:というのは?

風間:自分が決めた道ですから、そして自分の夢、それに、何よりもプロレスが好きという事ですね。そこには、多くのファンの皆さんの声援や拍手、期待が身体で感じられる事、それを裏切る事はできないし、私にはそれが喜びだから、多少の無理をしてでもリングに上がるのです。だから多少の無理ができる体を毎日作っています。一般の人でもそうだと思いますが、リングに上がってクローズアップされる時間よりも、地道に人の見ていない場所でトレーニングしているところから、レスラーという職業は始まるのです。それに耐えられない人間はこの世界では生きていけませんよ。
 今、華やかな部分だけを見て憧れて、入門したいという子がたくさんいますが、そのほとんどが練習の厳しさ、礼儀の厳しさで逃げ出してしまいます。そんな子でも自宅に帰ってくれればよいのですが、どこかへいなくなると、私も含めて事務所全員で探すんです。勝手に尋ねてきたから責任がないといえばないのですけれど、やはり親御さんの心配を考えると思わず体が動いてしまいます。

編:大変ですねぇ。先日テレビで神取さんと若い子が合宿してデビューするまでをドキュメントで放映されていましたが、見ていて感動しましたよ。風間さんと神取さんの優しさが厳しい中に見えてきて、本当の愛情ってベタベタするだけでなく、本気で接する事だというのがヒシヒシと伝わってきました。

風間:今、足らない事ってどんな事にでも本気で接する事だと思うんです。
 私はプロレスラーですが、今は職業に対する偏見もなくなりましたけど、昔はやはり見世物的な目で見られていた時期がありました。それを打破するために、先輩方も私も本気で練習もしたし、本気で試合をしています。それが見る人へ伝わるのだと思います。強いから、弱いから、障害を持っているから、歳をとっているからということは関係ないと思います。本気なんです、本気で生きようとすること、本気で人と接するという事が大事なのです。そして自分のあるべき姿をあまのままに出せるという事が大切だと思います。今、私はリングの上でヒール(悪役)なんですが、このヒールだからこそ強く伝えられるものがあると信じていますし、本気で暴れています。

編:そうですね。私もテレビでよく拝見しています。リングから風間さんはスタイル的には乱暴なのですが、伝えているという事がよくわかります。過激な試合の中に暖かさが感じられますよ。

風間:嬉しいですね。私の母もチェアウォーカーなんですよ。若干の歩行は大丈夫なんですが、ほとんどが車イス生活です。だから私、車イスを押すのじょうずですよ、力もあるしね。そういう訳ではないのですが、LLPWでは試合の合間に施設訪問したり、会場にチェアウォーカーの人をご招待したりしているんです。私達の試合を見て勇気を持ってもらえればと思って。

編:いいですね。今度、風間さんに車イス、押してもらいたいですね。最後に、読者のチェアウォーカーに一言メッセージをお願いできますか?

風間:今度機会があれば、喜んで押しますよ。
 読者の方には『本気でぶつかって下さい』っていいたい。こんな身体の小さな私でも、この世界で生きていけるのです。ある意味ではハンディーをしょって戦っている訳です。ハンディーは自分で乗り越えるものだと思っています。その事が本気であれば、自然と多くの人が助けてくれるでしょうし、周りに集まります。本気で向かって、本気で生きてください。そして会場にもお出かけください。私達がお手伝いします。

編:ありがとうございます。是非、会場にうかがいたいと思います。色々な方から、チェアウォーカーの方々にメッセージをいただいていますが、人と人とが手をつなぐ事でたくさんの心、優しさ、強さか伝わります。WaWaWaでは『ヒューマン・チェーン』という言葉で表現しています。手と手のつながりが大きくなれば、優しく、暖かい世界になるのではないかと思って皆様にお願いをしているのですが、風間さんのお知り合いで、どなたかご紹介していただけますか?

風間:ハイ、いいですよ。今度は、ミスター女子プロレス『神取 忍』を紹介しましょう。他にも考えておきます。


 風間ルミさん、とっても女らしく、キュートな女性でした。本気で生きている人は素敵!!

<プロフィール>
東京生まれ。1986年のデビュー以来、女子プロレスの人気レスラーとして、シングルタイトルではJWP認定ジュニアやUWA認定ジュニア、またLLPW認定6人タッグチャンピオンなどを獲得。