◆このインタビューは2001年12月に行われました。
◆今回の取材は由紀さおりさんのご好意でインタビューさせていただきました。
 由紀さんの名曲「手紙」「ルームライト」「恋文」などには、数え切れないほどの思い出があります。当時の深夜放送のラジオから流れてきた「夜明けのスキャット」には、特に鮮烈な印象を受けました。今でも私の青春時代を映し出してくれる大事な歌です。ここ15年は、お姉さんの安田祥子さんとともに、日本の心、童謡を歌っていらっしゃいます。

編集長(以下編):お会いできて、とっても嬉しいです。お忙しいところお時間をいただきましてありがとうございます。

由紀さおりさん(以下由紀):こちらこそ。

編:由紀さんは私の青春なんですよ。よく、ギターで「手紙」を歌いました。最近はお姉さんと童謡を歌われていますが。

由紀:姉と歌い始めて15年になります。今年は15周年の区切りという事で、ワールドツアーを試みました。先日も、パリ・ロンドンで公演があったんですけれど、ご存知のようにテロ事件があって、中止という事も考えたのです。でも、私としては待っていてくださる方がいれば、歌いたいという気持ちで一杯でした。日本からのお客様は断念をしていただき、スタッフ全員と話し合い、行ってもいいと思う人間だけと思ったのですが、スタッフ全員がスケジュールを組み直してパリ・ロンドンで歌ってきたんです。

編:大変でしたね。国内でも色々なイベントが縮小したり中止になったのに…。

由紀:なぜあのような事が起きるのでしょうかね、とっても悲しいですね。それと童謡とは私の歌でも姉の歌でもない、日本人全員の共有財産です。こんな大切な財産を歌わせていただくという事は、とっても嬉しい事と共に責任も感じています。このワールドツアーも私達の事務所で企画をしたものです。利益とか関係のないところでの公演です。これは私達の思いと日本の歌、童謡を世界の人に聴いてもらいたいという思いと、歌わせていただいているという事への感謝の気持ちで実現しました。私達が出来る事は歌う事です。日本でも色々な所に行かせていただいています。毎年、待っていてくれる人の顔を見た時、そして笑顔を向けてくれた時、逆に力をいただいています。

編:日本では、なかなか会場に行きたくても行けない所がまだまだ多いですね。

由紀:そうね!コンサート会場に来ていただいても、色々と問題はありますね。主催者側が用意したチェアウォーカー席は一番前が多いけれど、そうなのかしら。ずぅーと見上げている形でしょ。お疲れになったりしないかと歌いながら心配する事もあります。もっとフリーな会場が出来るといいわね。それに何か決まった場所だと一般のお客様も気を使われるし、チェアウォーカーの人達も気遣いをなさったりしないかしら。とにかく楽しんでいただきたいの、気持ち良くね。でも、今すぐには難しいわね。出来る限り私達がうかがう事も考えていきたいわね。

編:今、私達も下手なバンドを組んで色々な所で「ヒューマンチェーンライブ」という名前で各地で演奏をしています。チェアウォーカーの人達にどんどん表に出てきてもらいたいという思いで始めてのですが、楽しいことが街にあるということ、人と人とが出会うことの嬉しさなどを実感してもらえればと、今も頑張っています。近い将来、色々なアーティストの方々に参加をしていただき、誰でもが参加できるライブを計画をしているのですが、由紀さんも是非参加していただけないでしょうか。

由紀:良いことだと思うわ。来年は私達も色々な場所で童謡を聴いてもらおうと思っています。一緒に参加させてください。歌というのは誰もが持っている、その人にとって一人一人違う大きな財産です。私達の歌で勇気が出たり、優しい気持ちになれたら、嬉しいですね。頑張りましょう。

編:ありがとうございます。是非、実現できるよう頑張ります。話は変わりますが、最近テレビのコマーシャルで木村拓哉さんと共演されていますが。

由紀:彼も忙しい人なので、本当に個人的な会話は殆どなかったのだけれど、とっても良い意味での感性の強い人という感じでした。楽しかったです。

編:今、歌手以外のお仕事もたくさんされていますよね。それと童謡以外の歌も聴きたいですね。

由紀:NHKの「お江戸でござる」とかドラマなども出演させていただいています。歌以外のお仕事でも由紀さおりを感じていただければ嬉しいのですけれど、最近では、アリスの谷村新司さんに「お江戸でござる」のオリジナルソングで「あさきゆめみし」を作っていただいて歌っています。聴いてみてください。

編:是非、聴かせていただきます。お忙しいところお時間をいただきましてありがとうございます。最後にチェアウォーカーの読者に一言お願いできますか。

由紀:私からお伝えしたい事は、無理をしないで下さい、笑顔でいてください、夢を持ってください、夢を見続けて下さい。夢が簡単に実現できない事を悲しまないで、自分のせいにしないでいいの、あなたの夢をしぼませないで、膨らませてください、はちきれるまで、あなたの夢をそして教えてください。素敵な夢を・・・。お友達はたくさんいますか?


<プロフィール>
群馬県生まれ。小学生時代童謡歌手として活躍。1969年に「夜明けのスキャット」でのデビュー以来、数々のヒット曲を発表。1986年、姉・安田祥子とスタートさせた童謡コンサートも好評で、現在、国内及び海外でも多くの公演を行なう。NHK「コメディーお江戸でござる」にレギュラー出演等、テレビ・ラジオの出演やエッセイの執筆など幅広く活躍している。