◆このインタビューは2000年12月に行われました。
◆今回の取材は沢田知可子さんのご好意でインタビューさせていただきました。
 歌は魔法! 心を結ぶ呪文! 私の魔法で夢と希望の虹を!  沢田知可子

 『会いたい』。21世紀に残したい歌でおなじみの沢田知可子さんは、とっても透明感のある素敵な女性でした。

――今回の特集のイメージが音楽。歌は全ての人に一番わかりやすい表現方法という事で、時期も時期ですので、クリスマスにちなんで伺わせていただきます。

 「クリスマスの思い出の曲ってイッパイありますね。でも、そのなかでも、一曲挙げるとすれば、私の曲の『プリーズサンタクロース』ですね。それは、この曲のレコーディングの時、前日に大声を出す事があって、喉がつぶれてしまい、全然声が出なくなってしまったのです。まだ、新人だった頃で、スダジオとかエンジニア、バンドの人達が私のためにスタンバイしているのです。当の本人がアーもウーも声が出ないのです。別の日にお願いしますなんて言える訳にもいかなく、もうこのままいなくなってしまいたい心境でした。それにここでレコーディングが出来なかったら歌手生命も終りという状況だったのです。薬を飲んでも何をしても声が出なくて、もう時間的にも一時間位しか残っていなくて、これが最後という時に、もう神様に祈る事ぐらいしか私に出来る事はなくて、『この一曲さえ歌えれば後は声が出なくてもいいから、お願い声がでますように』との心境でスダジオに入ったのです。不思議ね、祈りって通じるものなのね。何時ものような訳にはいかなかったけれど、声が出てレコーディングが出来たのです。この曲が出なかったら、きっと『歌手 沢田知可子』はいなかったでしょうし、『会いたい』という楽曲にも出会う事もなかったでしょう。」

――不思議ですね。声が出た事も不思議ですし、それがきっかけで良い楽曲に出会うという事も不思議ですね。

 「不思議といえば不思議ですけれど、私はそうは思わないのです。自分が決めた夢、望んだ目的が真剣であり本気でありさえすれば、絶対に悪い結果は起きないと信じているの。そして自分の生き方を大事にする事ね。そこには、人は一人では生きていけないという事。だから優しくいたい、人に優しくしたい。でも優しくいるためには自分自信に優しくないとダメだと思うのよ。自分を大事にして欲しいわね。そして信じて欲しいの。」

――そうですね。今、生きている事や自分の存在に自信を持って欲しいですね。
 現在、沢田さんが歌われている曲で『GIFT』という歌がありますね。 とっても良い曲ですね。この曲は沢田さんがお話ししていただいている事のメッセージが、込められているような気がするのですけれど。

 「聴いていただけました。ありがとうございます。嬉しいです。大事にして欲しいのですよ、命を。生きている事って素敵でしょ。この世の中に必要のない人なんて誰もいないんです。障害があるとか、国籍が違うとか、若くても老いたとしても、必ずその人を必要としている人がいるのです。今、自殺をする人が、特に若い人に多いのですが、とっても悲しい事です。命を大事にして欲しいのです。そんな気持ちで歌っています。自分を必要とされていないなんて絶対に思わないで欲しいの。もし、見つからないという人がいても、たとえ私がその人と会話も面識もなくても、その人がいなくなってしまう事が私はイヤなの。変な言い方だけど、私は本当に命を大事にして欲しいから、私を知らなくても私は貴方が必要なの。少しでもそんな人間がいるという事を覚えていて欲しい。きっと私だけではなく貴方の周りにも必ずいるはずよ。もう一度見回してちょうだい。」

――そうですね。一人ぼっちにならないで欲しいですよね。

 「絶対に一人ではないからね。そんな事を伝えたくて、今、一生懸命に歌っています。色々な所で、どんな所へでも行って歌いたいのです。なかなか全部の場所には行けませんが、出来る限り日本中を周りたいと思っています。WaWaWaさんも色々な所でライブをされていますよね。是非一緒に今度ジョイントをしましょうよ。チェアウォーカーの方々と歌いたいわ。」

――ありがとうございます。なかなか生のライブを観たり、聴きに行ける場所が少ないので、逆にこちらから出掛けています。

 「私も行きますよ。皆さんが私の歌で喜んでいただけるなら、出来る限り歌いたいわ。今回クリスマスの特集でしたね。クリスマスってプレゼントが付き物よね。私、チェアウォーカーの方のために何か曲をプレゼントします。」

――本当ですか。我々みたいな下手なバンドに曲を書いて下さるのですか?

 「下手とか上手ということは心なの。相手に伝えたいという気持ちがあれば必ず伝わるはずよ。音楽というものは魔法です。また、お薬かもね。人の心を軽くするし、元気にもさせてくれるもの。そうね、私は音楽という魔法のお薬を使って心に虹をかけたいわ。小さくてもいいから、本来人間が求めている潤い、優しさを伝えられるライブをしましょう。
 人と人が手を繋げばどこまででも繋がるじゃない。その温もりを伝えていくライブを絶対にやりましょうよ。人と人が繋がる絆、それって切れない鎖よね。そうよ、『ヒューマンチェーン』よ。」

――『ヒューマンチェーン』ですか。いい言葉ですね。『ヒューマンチェーンライブ』やりましょう。

 「色々な人が手を繋ぎ合わせたとき、きっと人から人への優しさ、温もりが伝わるはず。今、それが大切だと思うの。私は歌を歌うという事で、そのチェーンに参加させて下さい。自分の出来る事、何でもいいじゃない。音楽って誰にでも平等で、誰にでも出来る事だと思うの。また、無理をしないで何時でも何処にでも側にいてくれるのが歌であり音楽だと思うの。色々な所へ伺います。その時、一緒に手を繋ぎましょう。心の『ヒューマンチェーン』を。」

 取材の後に沢田さんと関係者のご好意により2000年12月18日に俳優座で公演されるミュージカル『GIFT』に養護学校の生徒さんをご招待していただく事になりました。沢田さんは『GIFT』の主題歌を歌っていらっしゃいます。当日、沢田さんの生ライブも決定致しました。また、当日、沢田さんからのクリスマスプレゼントの曲も披露されます。バッドボーイバンドのボーカル一青 窈が詞を書かせていただき、当日みんなで歌える事になりました。タイトルは『バーチャルアンカー』。また沢田さんの新曲『命の色』も『会いたい』も歌ってくださいます。沢田さん本当にありがとうございます。

<プロフィール>
さわだ ちかこ
1987年10月5日「恋人と呼ばせて」でプロデビュー。90年4枚目のアルバム「I miss you」からのシングルカット「会いたい」が、全国のゆうせん放送所から自然発生的にブレイクし、発売以来1年以上かけて130万枚の売上を達成。あくまでもバラードにこだわり続けるその楽曲は多くの人に支持されている。現在、約3年ぶりの新作、コンセプト・ミニアルバム「GIFT」が発売中。また、ラジオ「沢田 知可子 GIFT FOR YOU」のパーソナリティと幅広く活躍をしている。